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Epilogue
01

会場のホテルでは、グアテマラの伝統的なダンスが場を盛り上げ、花火がドカンドカン上がって、盛大なパーティーが開かれていた。

表彰式では、まずサブイベントの表彰があり、日本人ではスプリントレースでマツドが3位、スタンディングでマツドがこれまた2位に入った。

そして、メインレースではシノが3位に入賞した。過去、優勝経験のあるシノにとって、3位は納得できる順位ではないだろう。しかし、ケガやトラブルにも負けずここまで這い上がってきたシノには、手放しで敬意を表したい。本当にすごい男だ。

02

女子の優勝発表では、ローザンヌのジョセフィンが呼ばれた。彼女がステージに上がったところで、ドイツのイボンヌも檀上に上がり、マイクを握った。イボンヌはかつて女子最強のチャンピオンで、男性を含めてもトップ10に入るくらい何年間も不動の地位を築いてきた強者だ。
てっきり、オメデトウの挨拶をするのかと思ったら、
「私はミスをしていない。Uターン禁止のところでマーシャルが減点を付けたそうだけど、私はしてないわ!本当よ。だから優勝は彼女じゃない。私が優勝で彼女は2位よ!」

会場が一斉に大ブーイング。
ジョセフィンもちょっと涙目に。
大会ディレクターのアンディが出てきて、改めてジャッジの公平性を説明し、女子の優勝はイボンヌではなく、ジョセフィンであることを告げ、会場は拍手喝采。
何だ?このヒール役は。
プロレスのマイクパフォーマンスそのものだった。
イボンヌは男みたいにブッチギリに強くて、単純にすごいから好きだったけど、幻滅した。きっと精神面は幼いんだろう。
何にしても、めったに見られないくらい酷いシーンだった。

03

ホテルの別室では、大会プロデューサーのナディアのために、プレゼントが用意されていた。
8年前の彼の特大写真だ。
みんなその写真に、思い思いに感謝の気持ちを寄せ書きしていた。

04

また、その横では数日前にやったアートショーで、地元の小学生たちが描いた自転車の絵をお土産として販売し、小学校への基金集めをしていた。1枚35ケツァルで販売し、売上は全て、会場となったアティトラン湖周辺に点在する10の小学校に寄付されるという。
素晴らしい動きじゃない!

アートショーのディレクションをしていたのは、LAのスコット(スカイ)と、カルガリーのクッキー。優しい奴らだな…。
自分もぜひ!ということで、素敵な1枚を選んで自分も購入させていただいた。
どれも可愛いらしい、素敵な絵だ。思わずニンマリしてしまう。
Tサーブのトミーなんて4枚も買っていた。ユキちゃんは全ての絵を写真に収めたらしい。何にしても、素敵なお土産ができた。

05

終わってしまえば、あっという間のグアテマラ世界大会だったが、
今回も得られることがたくさんあった。

写真は優勝したクレイグと。
クリオシティで作った「メッセンジャー世界最速Tシャツ」。
「クレイグが一番着るのにふさわしい!」とプレゼント。
お腹の調子も治ったみたいで良かったね。

そもそも今回のCMWCは異例だったわけで、メッセンジャーがいない街で開かれたこと自体が初めてだった。
パナハチェル出身の大会プロデューサーのナディアは、現在はトロントで自転車ショップを営んでいるが、祖国を愛し、どうにか地元に恩返しができないかと考え、グアテマラでのCMWC開催を目標に何年にも渡ってメッセンジャーや地元の人々を説得してきた。

06

最初に下見を兼ねてメッセンジャーたちをグアテマラに連れて行ったのは2002年の事だったと思う。それから8年。ようやく彼の念願が叶ったのだが、大会 1ヶ月ほど前、例年のようには参加者が集まらず、コースの準備も、そもそもの予算も上手く集まらず、助けを求める悲痛なメールがメーリングリストに寄せら れた。

自分も、それを見て急遽参加を決意した一人だが、今回はみんなで助け合って何とか成し遂げられた手作りの素敵な大会だったと思う。

07

CMWCを開催することで、少なからず現地には仕事や経済効果をもたらしたことだろう。
昔は相当の悪ガキだったというナディアが、レース終了後に警察署長と一緒に記念撮影をしている姿を見た。ナディアの表情が、非常に誇らしげだったのが印象深い。
色々大変なことも多かったが、とにかく大会は成功したのだ。
彼の表情を見て、改めて遠くまで来て良かったと思った。